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カバードポーチ 軒の深いひさし
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夏の夕方五時。日はまだ高いのに、光の色が少しだけ黄色に傾く時間があります。

その時間になると、縁側に腰を下ろす。麦茶のグラスをひとつ置いて、庭を眺める。何をするでもない。ただ、風が来るのを待つ——。お引き渡ししたある住まい手の方から聞いた、夏の日課です。

縁側は「部屋」ではなく「時間」の名前

間取り図の上で、縁側はほんの一畳か二畳の場所です。リビングのように名前のついた用途もなければ、収納のような実利もありません。

けれど住みはじめると、縁側は面積以上の働きをします。家の中でも外でもない場所。靴を履かずに外気に触れられる場所。家族がなんとなく集まって、なんとなく解散する場所。

縁側とは部屋の名前ではなく、「一日をほどく時間」の名前なのかもしれません。

夏の縁側には、役割がある

夏の縁側は、実は設計上の仕事もしています。

深い庇の下にある縁側は、真夏の日差しがリビングへ直接届く前の「緩衝地帯」。日射で温まった空気は縁側で一度受け止められ、室内の温度上昇をやわらげます。冬は逆に、低い日差しをたっぷり受けて、日だまりの特等席になる。

デッキやテラスでも、同じことが起こります。大切なのは、内と外のあいだに「もうひとつの層」があること。この層が、暮らしにも温熱環境にも、ゆとりをつくります。夏の体感温度の仕組みは、「夏、木の家はなぜ涼しいのか。」で詳しく書きました。

「何もしない場所」を、間取りに残す

家づくりの打ち合わせでは、どうしても「使える場所」の話が中心になります。収納は足りるか、家事動線は短いか。どれも大切です。

でも私たちは、図面のどこかに「何もしない場所」を残すことをおすすめしています。縁側でも、window seatでも、階段の踊り場の小さなベンチでもいい。用途を決めない場所は、住む人が使い方を発明できる場所だからです。

10年後、その家でいちばん好きな場所を聞かれたとき。「縁側」と答える暮らしは、きっと豊かだと思うのです。

夕方の光の入り方は、モデルハウスで実際に体感いただけます。見学のご予約・ご相談はオンライン相談ページからどうぞ。

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投稿者

katojyuken@theia.ocn.ne.jp

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